第6章 Everything about me is yours
リヴァイの頭の中には、と出会った当時の事や同居を始めた日の事、今まで一緒に乗り越えてきたたくさんの事、彼女が見せてくれた様々な表情などが、溢れ出さんばかりに沸き上がってくる。
自分は、決してスマートな男ではない。
無愛想だし、短気だし、掃除の仕方だって細かく口を出す面倒くさい男かもしれない。
生まれ育った地下街では、心が安らげる場所なんてなかったし、心の底から信頼できる人間も片手で数えられる程度しかいなかった。
だから俺は野犬のようにギラギラと牙をむくことしか知らない無骨者で、女性の手を優しく握ったことなんて一度だって無かった。
いつだって、やるかやられるかの騙し合いで、相手を思いやる気持ちなんて、これっぽっちも持っちゃいなかった。
それが例え自分の身を守るためだったとは言え、俺は心の冷え切った男だったんだ。
そんな俺が、始めて知った。誰かの事をこんなに想うことも、大切にすることも。
お前に出会わなければ俺は知らなかった。全部、お前が教えてくれたんだよ。
俺の全ては、お前のためにある。俺の全てを、お前に捧げよう。
「永遠の愛を誓う」
の両手を握って、まっすぐにその瞳を見つめて、リヴァイが言った。
「私も、一生貴方を愛します」
大きく頷いたの目には、今にもこぼれ落ちてしまいそうなほどに涙が溜まっていた。
ゆっくりとリヴァイの唇が近づいて、淡いピンク色に色づいたの唇に重なっていった。