第4章 病気
「今日は…徹底的にやるぞ…」
せっかくの休みである。リヴァイは掃除用具を手に取り、武者震いをした。
も綺麗好きであるため、家の中は常に清潔に保たれている。それに、リヴァイが極度の綺麗好きであるという点も理解してくれているので、掃除には特に力を入れてくれていた。
今まで、の掃除について不満を感じたことは一度もない。だが、背の低いにはどうしても高いところの掃除は難しかった。
リヴァイは普段の手が届かない部分の掃除に取りかかることにした。
リヴァイが掃除に没頭してから一体何時間経ったのだろうか。
ふと気が付くと、窓の外はオレンジ色に染まっていた。
リヴァイの超人的な働きによって、二人の住むこじんまりとした家はピカピカに磨きあげられていた。
「もうこんな時間か…」
リヴァイは掃除用具を片づけると、の様子を見に寝室へと向かった。
ドアを開けると、ちょうどが目を覚ましたところだった。
「具合はどうだ?」
ギシ、とリヴァイはベッドに腰を下ろすと、の額に手をやった。ぬるく伝わってくる温度に、やや安堵する。
「熱、下がってきたんじゃねぇか?」
「はい、気分も朝に比べると随分良いです」
ニコ、とが笑顔を見せる
「リヴァイさんのご飯が美味しかったから。…あと、あの特製ジュースが効いたみたいですね」
実を言うとは、リヴァイの特製ジュースがあまり好きではない。一体何が入っているのか、非常に苦いのだ。 材料を聞いても「企業秘密だ」と言ってリヴァイは教えてくれず、それを作っている時はいつもをキッチンから締め出してしまう。
もぞ、とは身体を丸め、リヴァイの太ももに頭を乗せた。
「なんだ、随分と甘えただな」
の髪の毛をサラサラと梳きながら、リヴァイは笑う。
子猫のように甘えてくるの頭や背中を、リヴァイは飽きることなく撫ぜてやった。