第3章 買い物
「ありがとうございます」
ほっと肩の力を抜いたの、細い身体を抱き寄せる。
「悪い。怖い思いさせちまったな。怪我してねぇか?」
小さな手を優しく握り、その白く美しい手や肢体に傷が無いかを確かめる。
「大丈夫です。すぐリヴァイさんが助けに来てくれましたから」
ニコリと笑って、が小首を傾げた。これは彼女の癖だが、これがまた非常に可愛らしい。
その白く滑らかな頬にチュッと軽く口づけると、リヴァイは彼女の手を取ってゆっくりと歩き出した。
「そろそろ日が暮れる。帰るぞ」
ところが、数歩行ったところで何となく、微かに彼女の視線を感じる。
「なんだ?」
じっと、大きな青い瞳が見つめてくる。
リヴァイはすこし思案してから、先ほどの自分の言葉を思い出してピンときた。
「…クソしてねぇよ。あれは、その…言葉のあやってヤツだ。くだらねぇこと考えてんじゃねぇ」
慌てた様な、照れた様なリヴァイの様子を見て、は声をあげて笑った。
照れているからなのか少し乱暴に歩みを進めるリヴァイの、夕日に染まった白いシャツの襟元からキラキラと輝くネックレスが見え隠れする。
(幸せだなぁ)
はそのたくましい腕に抱きついて、にっこりと微笑んだ。