第2章 衝撃の事実
兵団の食堂にて、エレン達は先輩達に先ほどの出来事を話してみた。
「え?お前等知らなかったのか?さんは兵長の奥さんだぞ」
「「「え、えーーーーっ!?」」」
食堂中に響き渡る程の大声で、3人は思わず叫んでしまった。
さんが結婚していた?!いや、そこはいいとして、夫があのリヴァイ兵長?!兵長結婚していたのか?!というか、あんな暴力的な人が家庭を築けるものなのか?!
さん、酷いことされてないかな?DVとかされてたら、あんな華奢な身体なのに…とても兵長の暴力になんて耐えられないよ…。
ほとんど涙目になりながら、3人の脳裏には不穏な想像がものすごい勢いで渦巻いた。
そんな時、不意に後ろから声がした。
「おい、お前等何を騒いでいる」
振り向くと、眉間にシワを寄せたリヴァイが立っていた。
「へ、兵長、さんの事を叩かないでっ」
「さんの身体が壊れちゃうっ!!」
涙をボロボロと流しながら思わずリヴァイの身体にすがりついたエレンとアルミンを、いとも簡単にリヴァイが蹴り飛ばした。
「「へぶっ」」
ミカサの顔にどす黒いオーラが浮かんだが、ひとまず吹き飛ばされたエレンの身体を抱き起こしにかかる。
「なに意味の分からねぇ事を言ってやがる。変な妄想してんじゃねぇ」
眉間に深いシワを寄せ、リヴァイが吐き捨てるようにして言った。
そこへハンジが合流する。
「そうだよね~、ちゃんにそんな酷いこと、たとえ死んだってできないよね~」
ニヤニヤと笑みを浮かべつつまとわりつくハンジも、殴り飛ばされる。
「うぶぅ!だってホントの事じゃーん!普段のリヴァイからは考えられないほど顔が緩んじゃって(笑)。まるで両手で包んで暖めるようにして可愛がってるじゃん」
「ちっ…余計な事言うんじゃねぇ」
(((あ、そこは否定しないんだ…)))
初めて見るリヴァイの意外な一面に、新人兵士達はもう何も言えなかった。