第3章 苦悩×光
臣『あの彼氏にやられたのか…?』
桜『っ!!』
臣『どうしてこんなになるまで…』
桜『離れ、られなくて…』
臣『…』
桜『別れ話をしたらいつも殴ったり蹴ったりされて…』
いづみ『ひどい…』
臣『俺はお前をまた…』
桜『違うよ…?臣くんは守ってくれてた…』
そう言って弱々しく笑顔を見せた後
握りしめていた手のひらを広げると
見覚えのあるペンダントがそこにあった。
臣『これ…』
桜『臣くんがくれたペンダント…覚えてる…?』
臣『あぁ…こんなのまだ持ってたのか…?』
桜『こんなのじゃないよ…あの頃からずっと私を守ってくれてたもん…』
臣『え…?』
そのペンダントは桜の誕生日に
俺があげたやつだった。
そしてぽつり、ぽつり、と桜は話始めた…
引っ越してからの事や
両親がなくなった事…
高校卒業してすぐ就職した事や
今の彼氏との状況…
あの時俺がもっと何か出来ていたら
桜はここまで苦しまずに
済んだのかもしれない。
でもこうやって後悔してても
きっと那智は怒るだけだろうな…
“今からでも桜を守れるだろ!!”
“俺の分までお前が守らなきゃダメだろ!”
そう心の中で那智に言われた気がした。