第1章 私
声をかけるとママが私に言った。
「あら、ゆず。どこ行ってたの?
ふふ。あのね、この方。
今日からゆずの同室なの。
歳はゆずより3つ上だけど。
楽しくなるんじゃない?」
『・・・かもね(笑)』
すると彼が私に話しかけてきた。
「あ、俺 永井颯 って言います。
ん?タメのほうがいいのか?
ま、いいや。
今日から、よろしく」
『タメでいいですよ。
ふふふ。
私、蓮条柚子稀です。
入院生活長いから、病院のこと、わかんないことあったら聞いてください。
・・・・あ、ママ?パパが呼んでた。
回診の時間じゃない?』
「あら、そうね。
じゃあ、行ってくるわね。
じゃあゆず、よろしくね」
『うん。行ってらっしゃい』