【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第16章 お洒落なカフェもいいけれど(弥生春)
疲れた。
開口一番にそう言って、抱きついてしまったのは大切な大切な女の子だ。
『春さん、どうしたんですか?珍しく甘えたモードですか?』
「...そうかも。ちょっと、ね」
『ふぅん...なるほど』
俺がこんなふうに甘えるのは珍しいらしい。自分的には頼りきって甘えたい時は甘えているつもりなのだけれど。みんなにも頑張りすぎるなと言われるし、少しその辺がズレているのかもしれない。
『春さん春さん』
「ん、どうかした?」
『今日、実家から茶葉送ってきたんですけど飲みませんか?』
緑茶。
ニコニコ告げられたのは今日のロケとは真反対みたいな、緑茶のお茶会へのお誘いだ。
一も二もなく頷いて、抱きしめていたのを解放する。
少し名残惜しいけれど、彼女はすぐに帰ってくるはずだから。
『いれてきましたよー』
「ありがとう」
『縁側はないですけど、せめて陽の当たるところにいきましょう』
そう言って、窓際のソファに腰掛ける。
あったかい。
『はい、どうぞ』
「ありがとう...」
ゆっくり飲み込んで、陽の光を浴びていると、光合成する植物の気持ちがわかる気がしてくる。
なんてことを言ったら流石に笑われる気がするけど、少なくとも計算済なロケでのセリフよりは心のままの言葉の方が気に入っていた。
『春さん!』
「うわ、あぶないよ。どうしたのまひるちゃん」
湯のみを置いた瞬間、腕に彼女が抱きついてきた。彼女から来るのも珍しいから今日は珍しい日和なのかもしれない。
『春さんとこうしてのんびりするの、すごく好きですよ』
ひだまりの中で笑う彼女を見て、欲しかったのはこれだよこれ。と納得する。
俺も好きだよ、と答えて頬にキスをした。