【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第15章 その声で(衛藤昂輝)
しまった、やな奴だ完全に。
気分を変えようと息を吸って、先程聞いた内容を口にする。
『あ、そうだ昂輝くんさっき○○さんが挨拶に─────』
ちゅ
不意に寄せられた唇。私のと重なって小さな音を立てた。名残惜しそうに少しだけ歯をなぞって離れていく。
「すまない、気分が高まってしまった」
申し訳なさそうな声色で言う昂輝くんを見ていたら、いままでの憂鬱なんてどうでもよくなってしまう。
『いいよ、私も嬉しいから』
「まひる...ありがとう」
ふわり笑った昂輝くん。絵画にでもなりそうなほど綺麗な笑顔で、やっぱり私は私の立ち位置でいいかな、なんて思った。
ファンだけの特別もあれば、私だけの特別も確かにそこにあるから。