【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第15章 その声で(衛藤昂輝)
最高のライブ。最高のステージ。
Growthをはじめとするツキプロ所属アイドルが、野外で一堂に会するサマーカーニバル。
長いようであっという間な3時間がすぎて、みんな終わりの挨拶を始めていた。
「楽しかったな」
「そうだね!」
みんな、とても充実した顔をしている。
関係者席から眺めていてもわかる表情。
そして、誰より大好きな昂輝くんがとても輝いて見える。
「ふふ、みんなライブロスになってしまうんじゃないか?」
あまりコーレスしない昂輝くんには珍しくファン達に声をかける。もちろん、滅多にない機会にみんな、はーい!と、ここぞとばかりに応えた。その後。
「ざまぁみろ」
低く楽しそうに囁かれた言葉は間違いなくスピーカーを通してみんなに伝わって。会場はとんでもない悲鳴に包まれた。
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『おつかれ、昂輝くん』
「...!来てくれてたのか、ありがとう、まひる」
嬉しそうな顔にホッとする。ライブのアンコールも終わった直後に会いに行ってしまった(もちろん細心の注意を払って)。
「...まひる...?」
『?どうしたの、昂輝くん』
「元気がないな、ライブ楽しくなかったか...?」
『そんなことないよ!とっても素敵だった!感想言い始めたら止まらなくなっちゃうから、今はやめとくけどね』
「そうか?」
『うん』
ライブ自体は楽しくて仕方なかったのだ。嘘じゃない。ただ、少し...
“ざまぁみろ”
あの声がリフレインする。
ファンに向けた言葉。羨ましくないわけがなくて。
あの声もあの表情も、私には向けられていないようなそんな気がしてしまっただけ。勝手に心が拗ねているだけなのだ。