【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第10章 君が(七瀬望)
まただ。
貴方は今日も呼び出されてる。
もちろん先生からじゃなくて
貴方に恋する、可愛い女の子に。
いつからだっただろう。
席が近くなって、話すようになって、少しずつ好きになった。明確な境界はなくて、でもただの友人と思ってるの?と聞かれるとそれは違う、と思った。
バンド活動を始めたって聞いたときは驚いた。
音楽は好きだったらしいけど、まさかあの生徒会バンドがオーディションに挑戦するなんて。
でも、貴方が楽しそうだったからよかった。
告白する勇気はないから、マネージャーの真似事をして近付いた。ほかのメンバーもとても優しいし楽しかった。
いつからだっただろう、貴方が告白のために呼び出される度にひっそり教室で涙を流すようになったのは。
これも明確にいつから、とは言えなかった。
距離が近付くほどに苦しくて我慢出来なかった。
誰もいないひとりの教室で懺悔のような気持ちで涙を流す。そしてまた好きを押し込まて明日を生きていく。いつのまにかそれが、私のおまじないのようなものになっていたのだけれど。
「っ!?先輩、どうしたの!?」
教室でひとりで泣いていた時、バンドの後輩が飛び込んできた。なんで?と思う余裕もない私に、ジュースいる!?と缶ジュースをくれた望くんがあまりに慌てていて、笑ってしまった。