【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第9章 俺じゃ (七瀬望)
イチバンになれなくてもよかった。そばでトクベツな二人の時間があればいいんだっておもってた。
でも、それが間違いだった。
限られた先輩との時間を俺は無駄にしちゃったのかも、と思ったのはもう先輩達の受験が終わったあとだった。
先輩が、卒業してしまったら。
もう俺からだって伝えることは出来ないのに。
イチバンになれない諦めを理由にして、気持ちに素直になれなかった俺への、神様からのオシオキなのかもしれない。
ねぇ、先輩。
もうすぐ、卒業式だね。
きっと、さくらが舞い散るグラウンドの片隅で、先輩は一人で泣いてるんだ。
ねぇ、先輩、まひる先輩。
俺じゃ、だめだったのかな。
今更すぎる思いだけが、心の中で何度も何度も繰り返す。窓の外、1人眺める外の景色が滲んで、ぼやけた。