【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第8章 ヒーローになりたい(大原空)
あの頃同じだった背丈は、俺の方が少しは高くなった。どんどん男になる俺と、女の子になってくまひる。それをさみしいと思った時も実はあったけれど。
今はその違いがいとおしくて。
「まひる」
『なーに、空』
「あの日俺にくれた金メダルみたいに、今度は俺がまひるのこと笑顔にするからね」
決意を新たに告げる。
ちょっとくさいかもだけど、本気だから。今度は俺が返していくんだって、懐かしい夢から思い出したんだ。
まひるは目を丸くしたあと、ふっ、と微笑んだ。
『充分なのになぁ』
「え?」
『今だって、こんなに笑顔にしてもらってるのになぁ』
「っ、まひる」
本当に、ずるい彼女だなぁと思う。
昔から俺に優しくて優しくて優しい。
そんな君だから幸せにしたいって思えるんだよ。
今度は言葉にしないで、彼女の頬にひとつ、キスをした。