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【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ

第1章 あったかい、君。(大原空)


『空』
優しくて、あったかくて、ほっとする声。
ひだまりの真ん中にいるみたいな、そんな気持ち。
『そら』
耳に届く声はどこまでも優しく俺を呼ぶ。起きなきゃと思いながら、このまま眠っていたいとも思う。回らない思考の中で、今がずっと続けばいいのにな、という思いだけがはっきりとあって。

でもまあそんなに世の中上手くいかないわけで。

『ちょっと空』
バシン!といい音を立てて俺のほっぺに平手打ちが入る。
「ちょ、痛い!何すんの!」
『何すんのじゃない、もうすぐ仕事の時間でしょ』
はて、と時計を見ると、寮を出なくてはいけない時間の15分前を指している。
「えっやばいやばい!準備しなきゃ...!」
俺はもつれながら服を着替え始めた。少しくたびれたジャージをベッドに脱ぎ捨てる。まひるがなにか文句を言ってる気がするけど気にしている余裕なんてない。
ハダカなんていつも見てるし別にいいでしょ?
心の中で言い訳をして手前にあったパーカーと履きなれたジーンズをえらぶ。今日は写真仕事でもないし、まあこれでいいだろう。
『まって、それはダメ』
「えっ?」
ジーンズをバッとうばって勝手知ったる俺のクローゼットをガサゴソするまひる。え、時間ないんだけど!?というツッコミは華麗にスルーされて、パンツ一丁で待つこと数十秒。やっと彼女がお目当てを見つけて振り向いた。
『そのパーカー着たいならこっちにして、ジーパンだとさわやかさが足りない』
「ほぇ...」
渡されたのは黒のスキニーパンツ?ってやつ。俺こんなの買ってたっけ、と思うまもなく渡されて。
『シルエットもスッキリ見えるし、空足綺麗なんだからこの方がいいよ』
いつものたんたんとした口調で自信満々にいうから、そんなもんかなぁ〜と返しながら内心嬉しくて、のそのそと履く。じぃーっと俺を見ている彼女の前で着替えるのすごいやりずらいな〜よし、履けた。

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