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IN DREAM2

第14章 土族



試験管に透明な液体が泡を浮かせ、木製の机で涎をたらして寝ていた女性の前に並べられている部屋に
男が入ってくる

「姉さん、また机で寝落ちしてたのか?」

深い眠っていた女性は寝ぼけながら目を覚ます
「あれー?
寝ちゃってた
おはよう、カイ・・
今日は早いんだね
軍の訓練は大変だぁ〜」
あくびをしながら両手を上げ、のびをする

「何寝ぼけてるのさ
今日は休みだって前に言っただろ」
カップに薬湯を注ぎ、カイは女性の机に置く
「ありがとう
そういえばデートって言ってたよね」
「ま、まぁね」
女性は照れくさそうにするカイを見て少し微笑み
差し出された薬湯を飲み和む
「姉さんはいないのか?
気になる人とか・・」
「イリヤはいないよ。
研究所の人達は皆んな怖い顔ばっかりしてて堅苦しいし
それに今は恋愛なんてしてる暇ないかな」
イリヤは机の上に雑に置かれたノートとレポートをまとめ、革製のカバンに押し込んでいく
その中の一つがカバンからこぼれ落ち、カイが手を取ってページをめくる
「ーーーー魔力庫製造計画?
姉さんは傀儡師の担当だろ
どうしてゴーレムの魔力庫について書いてるんだ?
それに、あのゴーレムは使える候補者がいないって事で製造中止になったはずだ」
「ちょっと!
勝手に見ないでよ!」
イリヤはカイからノートを勢いよく取り上げ、鞄に押し込む
「なぁ姉さん、魔力庫の分野は先輩達が担当してるって前に話してたじゃないか
・・・もしかして、押し付けられたのか?」
「違うよ!
お願いされたの。
カイの言う通り、あのゴーレムは土族の最高傑作だけど
動力源になる魔力が見つからない・・
先輩達は土族の中で見つけるって言ってたけど、そんなの駄目に決まってるっ!
けど、だからといってあのゴーレム以外、土族には主戦力となる兵器がない。
今はまだ平和な時代だけど、上層部の情報だと闇族が裏で暗躍してて
表に出て世界を闇で染めようとしてるらしいの!
そんな時、守る力がないと皆んな死んじゃうんだよ!」
「わかったわかった!
とりあえず落ち着いてくれ」
カイはイリヤの両肩に手を置き、宥める
「姉さんが皆んなの事を心配してくれてるのはわかってる
けど、一旦自分の状況を客観的に見るべきだとも思うぞ」
「どういう意味?」
「・・・鏡で自分の顔見てみろ」
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