第13章 青い炎
「アタイびっくりしたわ。
まさか、アタイとローランさんが契約した天族が
こんなすぐに会えるなんて・・」
アルヴィートはにこりと微笑む
ユリエフが提案した三者契約の一人であるアルヴィートこそ
ローランの命を延命させている者であり
いずれローラン、アンリと意識を共有している者だ
「僕が君たちと契約してる天族だとは口外しないでくれよ
ユリエフちゃんにはいいが、インドリームには話す必要がないことだし、それ以外の存在がしれば厄介なことになりかねない。」
「もちろんだ。
君は僕とアンリの恩人でもある。
けど僕も驚いたよ
契約を交わしたときは君の声しか聞こえなかったが、まさかそのーーーー」
ローランはアルヴィートの外見が子供であることに驚き
言葉をつまらせる
本当は自分より年上なのだろうと思いつつ
適切な言葉が出てこず口ごもりしていると
アルヴィートは何も気にしていないと言うように話す
「僕の見た目は実は特殊でね
本当はローラン君と同じくらいの歳で、人間でいうと30歳半ばくらいの見た目だよ。
けど、暗黒戦争で肉体が汚染されてね・・・
その時の呪いのせいで一定の魔力を消費すると若返ってしまうようになった。
いずれは幼児までいき、言葉も話せない赤子になるだろうね
けど、君たちが契約してくれたおかげでそうにはならないだろう」
暗黒戦争で多くの天族が闇に触れ、堕天使となった者や呪いを受けた者、中には悪霊化した者までいると言い伝えられていたため
アルヴィートのような者がいてもおかしくはないとローランは感じていた
イリヤの話も聞いていたため、あの戦争は多くの犠牲者の上で終結したのだと改めて感じる
「さて、僕はこのままインドリームの帰還を待っているとしようか」
アルヴィートはジェイクのベットの隣に置かれている椅子に座り、誰にも見えない傍らに立っている天族の騎士に目線を向けながら話し終えた