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IN DREAM2

第13章 青い炎


最後に会った時は死んだ魚の目みたいな表情で任務から帰還して、よく記憶が消されることに必要性が感じないと火族の在り方に疑問を抱いていた幼馴染。
けど、今となっては自信に満ち、自分の意志で動いているのだとわかるほど見違えている

「ここに集まった皆が自分の意志でいるぞ、アドラ」
「火族の上層部でヤレるやつはヤッたわ。」
「キミさんだけが火族の在り方に疑問を持っていたわけではないんです
それに、10年以上経ってますから新入りもいますよ」

「お初にお目にカカリマス。
私は零式と申しまス」

魔術師のバザン・ベクレル
暗殺者のビーチェ・ベクレル
諜報員のコズモ・ベクレル
そして機械と人間の融合隊の零式

それぞれが俺の前で膝をついて頭を下げて話した

「ははは
お前ら、全員立派になったよな
俺だけがおいてきぼりで寂しいぜ」

「アドラ、そんなことは」
「わかってる、キミ。
だから俺は、まずは力と・・・肉体を完全にさせる」

片手にわずかな力をためるだけで、青い炎が宿る
魔術のような術式を命ずることもない
頭の中で複雑な演算をする必要もない
俺の意志、感情に力が応える

「いいねぇ、アドラ
流石俺が見込んだ男だ」

「ヴァンさん
俺の肉体、力を安定させるには何からすれば?」

「それは簡単だ
お前が炎のインドリームになればいいんだよ」
「!
けど、炎のインドリームはジェイクがなったし、あいつから力を剥ぎ取る方法もない」
「それがあるんだよぉ。
奴は今、表向きはインドリームとして旅を続け、その任務の話したな?」
「風のインドリームを必要に応じて殺すという任務だろ」
「そう。
その風のインドリームの中に眠っている力がチートでな。
アドラが体験したように、強欲の剥奪の儀式を行えば炎の力はお前の物にできる。」
「!?」

俺はヴァンの提案に否定することはなかった
強欲の剥奪の術式は覚えていたし、あとは供物となる対象が揃えば問題ないからだ

かつての友を供物にすることに何の躊躇もなかった
かつて、ジェイクがそうしたのだからな
先に裏切ったのはあいつが先だった
記憶を消し、力を得るために俺を異界へ送り、勝手に自暴自棄に堕ちたんだ
全部、あいつのエゴだ
だが、俺はエゴなんかでは動かない
俺の夢は、こいつら〈死風の暗殺部隊〉と同じ
だから俺が叶えるんだ
真の自由という夢を――――。




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