第12章 炎の意志
「お前がインドリームとして旅立ってしばらく経ってから、堕天使や死人が現れてこの地区を荒れ地に変えるきっかけを作ったんだ」
「堕天使と死人?」
アドラの唐突な言葉に、ジェイクは聞き返す
だが、それ以前いジェイクは確かめたいことが一つだった
「この地区の事や堕天使と死人の事も気になる
けど、アドラ・・お前がこうして俺と話せる理由も教えてくれ。
お前は俺が昔、任務に失敗したせいで二度と自由に出歩けない体になったはずだろ!
・・禁術でも使わない限り、お前は・・・」
「ジェイク、俺がどうして元気にお前と話しているのかいずれわかる。
今は話せないのは悪いが、これだけは言える。
俺は紛れもなくお前の親友アドラだ!
俺とお前の間にいろいろとあったけど、俺はどうしても叶えたい夢がある。
そのために、お前を呼び戻したんだ」
「呼び戻した?
まさか、破滅の鐘に命令させて俺に任務の指示書を渡させたのは・・アドラだったのか?!」
「てっきり火族の長老達と思ったか?」
「当たり前だ!
俺はあいつらから潜入任務を任されていた
・・このインドリームの力も、肉体も偽物であっても、何の躊躇もしなかった
お前を・・寝たきりから救えるなら何でもするって決めたんだ」
強く言い切るジェイクに、アドラは一度口を積むんだが、溜息をはき出してすぐに応えた
「そうか、やっぱりお前は俺の事を思って任務を・・。
けどな、ジェイク、もう俺はあの時と同じじゃない
力も自由も夢を叶えさせるチャンスも手に入れたんだ
だから、あとはつかみ取るだけんだよ」
拳を空に掲げながら、アドラが強く語る
「アドラ、あの任務書に記載した内容は正式な指示じゃなくて、お前が俺を呼ぶために作ったものなら、俺は正しい任務に戻らなくちゃいけない
そうするよう、刻まれているんだ」
「勘違いするなよ、ジェイク
確かにあの任務書は俺が作った。
けど、指示内容に嘘偽りはない」
「は?」
「だから、インドリームから抜けだし、ヒルト・クローズを殺せっていうのは、お前を管理する存在から発せられた正式な任務だ」
「・・・どういう事だ、アドラ
俺を縛る呪いを与えたのは火族の長老達だ!
長老達からの命令は絶対逆らえないし、指示書も第三者が作ってもみぬけれるように呪印に組み込まれているんだ
だから、アドラが作ったのならそうだと最初から気付ける」
