第11章 破滅の鐘
その日、フランシスとヒルトの演説にポーラル町の民衆全体がまとまり、
破滅の鐘と完全に絶縁とするため、関与しずる物販などは燃やされ
新たな規律として破滅の鐘と関わった者に重い求刑が課される事となった
壊された建物の多くが煉瓦で造られたおかげで
イリヤの力を借り、一夜にして修復された
インドリームへ感謝の気持ちを含めて食料や宝石を渡す物もいたが、ヒルトは断った
「これは皆さんの将来のために持っていてください
俺たちは今ある分でじゅうぶんです」
遠慮ではなく、本心から必要とせず欲を出さないインドリームの姿勢に一部の人間達は神格化して称えたり
すぐに旅立たずにもう少し街に滞在してほしいと懇願する
だが丁重に断り、飛行船の動力を上げてインドリームは旅立つ準備をしていく
「君達ともうお別れだと思うと、損失感を覚えるよ」
フランシスは鎧を着けず、真紅のマントと灰色のコートで身を包み荷造りをしているヒルトに声をかけた
「俺も、フランシスさんやポーラル町の多くの人と出会い、過ごせ時間は短くてもとても有意義でした
もうお別れしなくちゃいけないのが心苦しいですけど、この世界で起こっている他の脅威を放っておくわけにはいきません」
凛とした姿勢で答えるヒルトにフランシスは肩を叩き、微笑む
「君のような青年でもここまで強くなれるのなら
私だって負けてられないな
世界を救うために全力を注ぐのがインドリームなら、この街を守る為に最後まで戦うのが我々自警団だ
必ず私は夢を諦めない・・君もどんな事あっても諦めてはいけないぞ」
「ありがとうございます」
「ヒルト君ー!
準備できましたよ!」
「今行くよ、ユリエフ!」
ユリエフの天族の力により飛行船は風を巻き上げながら、地面から浮いていく
飛行船へ乗り込むため、ヒルトはフランシスに背を向け、風に乗って搭乗する
「また落ち着けば遊びにでも来てくれ!
その時は皆一同でむかえ入れよう!」
フランシスは手を振りながらインドリームの見送った
ポーラル町という一つの町が闇に支配されていた時代は
インドリームの介入によって終焉を迎え、自由に生きる新たな時代へと変わった
だが、インドリームの内側からは新たな闇が牙を向けようとしていた