• テキストサイズ

IN DREAM2

第3章 半魔


「っ・・ぐ・・ぁ・・ぁあぁ」



黒い人型は全身が真っ黒に染め上げられ、どこに顔があるのか
むしろ人なのかもわからない状態だったが、かろうじて苦しそうな声をあげた



「っ・・・」


這いつくばり、動こうとする人型に、マティウスは剣をおろし、息の根をとめた



血は一滴も出ず、きられた塊は闇に変わり、クライヴの中で吸い込まれて いった



「なるほどな、今のは町へ襲いかかった魔族だったのか。
であれば、エリンシエや結界師が転送した魔族と予想できるな」



「貴様・・どこまで知っている・・?!」



「さぁな、確実にわかるのは、エリンシエ達が送りつける魔族を使い、
何者かが魔獣を作り上げるために暗躍している、とまでしか想像はつかないな」


「・・・だとすればどうする、おまえは口ぶりからするに結界師の味方か」

「俺は誰の味方でもない
俺は俺の目的の為に動く。
おまえ達がどう暗躍しているのは関係のないことだ。
・・だが、あいつらがこの事をしれば黙ってはいないだろうな?」



「あいつら、だと?」


「おまえにとって、敵となるか味方となるかはわからないが、話をしても損はしない連中だ」

「・・・おまえは・・何者だ」



「・・さぁな、わかっていれば苦労はしない」

「?」




剣を握るマティウスの手がゆるんだ隙に、クライヴは闇を地面に浸食させ岩壁を作り、姿をけした

「くそ!」




岩を切り、すぐにクライヴを追うとするが、すでに姿はなく、 痕跡の余地がなかった



「あの闇墜ち・・!」







「そう焦るな、マティウス」

「!」
マティウスが振り返ると、そこにはオレンジ色の長髪を後ろに束ね、白い法衣に身を包んだ男が立っていた


「マーベルさん・・」



マティウスがマーベルと呼ぶ男は優しく微笑み、肩をたたいた


「アレの計画は最終段階だ。
今更闇墜ち一人に計画がバレたところで、誰も阻む者はいないさ」


/ 821ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp