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IN DREAM2

第7章 闇の神



(―――意識が・・朦朧とする・・――――)

「・・ライヴ・・クラ・・ヴ・・!」

(なんだ、誰だ・・・俺を呼んでいるのは)


ぼやける視界の中、クライヴを必死に名乗り、汗をながしていたのはヒルトだった


「クライヴ!
絶対意識を失っちゃだめだ!」

突き刺さる武器を抜き取り、流れる黒い血を両手や風の力で抑えながら
必死で応急処置をするヒルト

「ヒ・・ル・・・・ト」

「クライヴ・・!
意識が戻ったか!?」


希望を宿すように明るく声をかけるヒルト

だがクライヴはヒルトの背後に迫っている者に目をむけ
ヒルトに伝えようとする

震える手で指をさしたのは
ヒルトの背後に立つシャルゼだった

「?!」
急いで振り返すヒルト
だが、シャルゼは闇で汚染された土を自在に操り
岩石を出現させ
ヒルトの頭部や腹部を何十回にわけて殴りとばす

一言も発することができず、そのまま飛ばされて、人形のように軽く転がり、痛む全身に耐えながら
起き上がろうとする


「お前に絶望をやろう、風を司るインドリーム、ヒルト・クローズ」

「?!」

シャルゼは無抵抗のクライヴの首を片手で締め上げ
下に足元に巨大な異空間の亀裂を生じさせる

そして戦闘を繰り広げているユリエフと
敵に囲まれ、身動きが取れないアラン、ライセイ、ジェイク、イリヤの頭上には
あの見えない闇の武器が振り落とされる準備がされていた

「っ・・!」

「今回はハンデをやろう
この闇堕ちは私が手を離せば闇の監獄の世界へ落とされ、狂い、壊れるだろう
だが片方で、私の合図一つで他のインドリーム全員は一瞬にして死ぬだろう
どちらか守りたいもの、好きな方を選べ。
インドリームの方の武器はみえるようにしておいてやろう」

「や、やめろ・・!」

「さぁ、お前はどちらを選ぶ?
3秒与えてやろう」

「やめろ・・やめろ!」
「3――――」
「?!」

ヒルトは必死に思考を動かせ、考えた
目前のクライヴを救うか
インドリームの仲間全員を救うか
はっきりととらえてはいないが、かすかに見えたアランの膝には両手から血を流し、倒れているイリヤと義足の男に踏みつけられているジェイク
肩から血を流し、身動きがとれないライセイ
そして、大半の魔力を失いながらも
アルトリアと戦いつづけるユリエフ

失う命も、重みも、仲間だということに変わりはない


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