• テキストサイズ

出演者達に休息を「番外編」

第4章 王馬くんが何か言いたいことがあるようです




「今日は何して遊ぼっか?」


彼女の腰に腕を回して。
いつものように背後から抱きしめた。
吐息がかかるほど耳元で、まず一番に囁く言葉は変わらない。


「ねぇ…オレと何したい?」


わざと艶っぽく囁いてみると、彼女は何だか少し赤面しながら、オレにジトっとした視線を向けてくる。
至近距離で見つめてきたのはそっちなのに、オレが黙って彼女に視線を返すと、それだけで彼女はさらに顔を真っ赤にさせていく。


「…なになに、どうしたの?ねぇねぇどうしたの?」
『うるさい、なんでもない』
「そっかそっかぁ、そんなにジィッとオレの事物欲しげな顔で見といてなんでもないのかぁ。亜美ちゃんは本当に恥ずかしがり屋さんだなぁ」
『物欲しげな顔なんてしてないし!恥ずかしいことなんて考えてない!』
「え?オレはー、恥ずかしがってるの可愛いって言っただけだけど。恥ずかしいこと考えてたんだー、うわぁ引くなー」
『えっ』
「嘘だよ!でもさぁ」


そんな顔で。
そんなこと言われたら。


「……もっと恥ずかしがらせたら、どんな顔するのかなって気になっちゃうよ。…ねぇ、亜美ちゃん」


オレは彼女の腰に巻いた腕に力を込めて、パッと顔をそらしてしまった彼女の髪に顔を埋めた。


「…………ダメ?」
『……ダ、メって…』


亜美ちゃんの身体が強張った。
だから、意味は伝わってるってすぐに理解した。


「…いつまでダメ?オレじゃダメなの?何がダメなのかわかんない」
『…あ、のさ…いつまでというか、王馬じゃだめなんてことはないんだけど、私も何がダメかちょっと回答に困る部分が…』
「じゃあ今すぐでもいいよね?」
『昼だから!!!』
「カーテン閉めれば?」
『テンションの問題が!!!』
「そっか…亜美ちゃんはオレとじゃテンションあがらないんだね…ひどい…そんなのって…そんなの…」
『耳元で絶叫はやめて嘘泣き準備しないで』
「ちぇー、昼だって夜だってヤる事なす事大して変わんないよ!」
『為す事はだいぶ変わるんじゃないかな…昼ご飯とか食べなきゃいけないでしょ』
「オレ今お腹すいてないんだよねー、ちょっと胃の手術したばっかでさ。だから食べるなら亜美ちゃんがいいなー、健康に良さそう。刺激物じゃないしね!」
『胃の手術なんて初耳だし、彼女に刺激は必要だろう』

/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp