第3章 王馬くんに風邪をうつされたみたいです
「あっ、おかえりなさい!」
と迎えてくれたキーボに
王馬は
「弟じゃないし!」
という八つ当たりをして
「えっ、今さらそのくだりを引っ張ってくるんですか!?」
と芸人ばりのリアクションを見せるキーボと、王馬の口喧嘩を眺めて
私は
私は
「ワーーーッ、博士!?」
「あれ…っ、逢坂ちゃん!?」
目眩に耐えきれず、目を回してへたり込んだ。
ベッドに運ばれて、私が眠りについてからも、朝を迎えてからも、ずっと王馬とキーボが手を繋いでくれていた。
ベッドに倒れこむようにして眠った二人の顔がそっくりに見えるのが、なんだか面白くて。
『………ふふ………』
私は、二人の看病の甲斐あって、熱の下がった手で、二人の頭を撫でた。