The night dream of fairy【気象系BL
第13章 妖精の夜の夢 ~すべての未来~
私は、ハッと目を覚すと....
智は相変わらず横で眠っていた。
汚れているはずの躰は綺麗に整えられ
シーツも乱れもなかったな。
「すべて夢…
じゃ智は⁇」
智を見ると夢の中の
紅潮し血色のいい顔はそこにはなく
青白い顔をしていた。
でも、抱きしめた感覚は
夢の中と同じだった。
あの夢はいったい…。
私は不意に智が夢のように
消えていってしまいそうな
そんな気持ちになって…
「智……いいですか?
お姫様は王子様のキスで
目を覚ますんですよ…」
そして、智がしてくれたように
頬を優しく撫でその唇にキスをした…
すると…
次の瞬間
智の目が…
ゆっくりと
開いていった…
「…さとし!!私がわかりますか?」
智はゆっくりと頷いた。
「翔兄⁇
潤兄⁇
さとしが…」
私は兄貴達を呼びに
ベットから飛び降りようとしたとき
智は不意に私の腕を掴んだ…
「にぇえ~
かじゅ…どこにいくにょ⁇」
「えっ!!!
さっとし?」
智は泣きそうな顔をしていた。
「かじゅ…どきゃいっちゃ…
いやじゃよ…
おいりゃ…しゃみしいよ…」
「…さとし……ですよね…」
智はうなずくと…
私の腕を離した。
そして、急に無表情になり
自分の羽根を青色に輝かせ
大きく羽根を広げたかと思うと
自分を丸ごと包み込んだ
私はその神秘的な光景に
呆然と立ち尽くした。
「さ・とし……
え??」
智の躰は
見る見るうちに縮んでいき
気が付くとベットの上には、
今にも泣きそうな顔で
私を見ている幼い智がいた。
その姿は、潤が大切にしていた
写真の中の小さくて幼い姿だった
「かじゅ…おいりゃ…にぇむちゃい…」
ベットから大きく手を伸ばした
私は、優しく抱っこしてやった。
「さとし…」
「かじゅ…だいしゅき…
ZZzzzz…」
私の腕の中で寝てしまった智は
本当に可愛く…
穏やかな顔をしていた。
その小さな手が、
私の服をしっかりと握りしめていた
「智…
あなたは、生まれ変わったんですね。
また、私達と一緒に新しい時を
刻んでいきましよう…」