The night dream of fairy【気象系BL
第13章 妖精の夜の夢 ~すべての未来~
(和也side)
あれから…
1ヶ月・・・・
智はまだ、目覚さない…
私達は妖精界へ戻ってきていた。
あの夜・・・・・
智は自分のピアスを握りしめていた。
翔兄の話では、
多分……
私達が部屋に到着する前に
智は一人、目を覚ましてしまった……。
自分がどうしてここにいるのか?
きっと追想するうちに
記憶が呼び覚まされてしまった。
それで、自分の罪の重さをしり
耐えきれなかった・・・。
このまま幸せになれる未来なんか
到底、思い描けなかった……
もう、絶望しかなかった……
だから智は……
自分を戒める為
眠り力を最大限に開放して
自分自身に力を使った……。
私は、納得なんか出来るわけがない。
なんで智は、私を待っていて
くれなかったんだろう
「智、あなたのこと心から愛していたのに……。」
智の頬にそっと触れてみた。
暖かく・・
穏やかな顔ですやすや寝ていた。
苦悩の表情はなく、
幸せな夢を観ているんだろうなぁって思った。
それだけが、せめてもの救いだったかも知れない。
「私は……
昔も今も、貴方なしでは生きていられないのに……。
智……どうしたらいいんですか?
このぽっかり空いた穴 を……
どうすれば埋められますか? 」
私は智の固く閉じた唇に触れた。