The night dream of fairy【気象系BL
第8章 光と闇の狭間で…
その夜遅く俺は雅紀の家に帰ってきた。
二人はまだ起きていて 帰りを待っていてくれた。
和也は 俺の姿を見ると、すぐに駆け寄ってきて耳元で呟いた。
和「翔兄、智の事何かわかりましたか?」
和也は智の行方を聞いてきたけど…
俺は首を横に振った。
翔「…ダメだった。
溜まり場には妖精達は誰もいなかった。
完全にもぬけの空だったよ。
それどころか、記憶も何もかも消されていたよ…
お手上げ状態だね。…」
と告げた。
和也はガクッと肩を落としトボトボと歩いて
自分の部屋の方へ向かうと
雅紀も和也に寄り添うように一緒に部屋に入って行った。
翔「和也ごめん・・・。」
心の中で呟いた。
そんな2人を見送ると俺はポケットから
今日見つけた写真を取り出した。
それは古い物でボロボロになっていたが、
幼い双子と俺が笑いあっている写真だった。
裏には古く消えかけた字で
【大好きな兄弟】
と書かれてあった。
その下にまだ真新しい字で、ビルの名前があった。
潤!!
お前のメッセージは確かに受け取った。
俺はその写真を大切にしまった。