第3章 懸賞金
──この目は、まだ私を仲間だと…。
芥川の菜生を見る目は、以前と何ら変わりがない。
此方は芥川たちを裏切ったと云うのに、真っ直ぐな其の瞳が菜生の心をぐさりと突き刺す。
「首領も僕らも、貴方が戻ることを望んでいます。…では」
ひらりと外套を翻し、芥川は金髪女性と去っていった。
金髪女性はちらちらと此方を気にしていたが、詳しく訊くのは後回しにしたらしい。
取り敢えず今回は見逃してくれたようだ。
──ま、芥川と戦ったところで、私が負けるとは思わないけど。
小さくなる背中を見ながら、菜生は小さく溜息を吐いた。