第2章 嫉妬
「できた…」
「さっすがリオンちゃん!俺の言ったテクニック全部できちゃった!」
サンジに作り方を教わり、お菓子を作っていたリオン。甘さ控えめ、ビターな味わいの広がるお酒が入ったチョコレート。
「俺にもひとつほしいなぁ」
「だーめ!これはゾロと私で食べるんだ!サンジは自分で作って食べろ」
「リオンちゃんが作ったのが食べたい…あーんして」
いつもとは違う低音ボイスでリオンにささやくと、恥ずかしさのあまりサンジを思いっきり殴る。
「うるさい!私に触れるな!あげないっつってんだろ!」
ケチ、とサンジが口をとがらせる。いい年下大人が少女に何言ってるんだ、とリオンはそのまま知らん顔してキッチンを出た。その入れ替わりで、ナミがキッチンに入ってくる。
「ナミさ~ん!どうしたんだい、何か飲む?」
「ちょっと、サンジ君!」
サンジの言葉を無視し、キッと睨みつけるナミ。その表情にぎょっと目を大きく開いた。
「あんまりリオンに近づいたりしちゃだめよ!」
「えぇッ…」
「ていうか、ゾロが外にいたこと知っててわざとやってたんでしょ?」
ナミに指摘されると、思わずにやりと顔がにやけてしまった。
「クソマリモにリオンちゃんを取られんのが気に入らんくてな…」
「本当はそう思ってないくせに」
「えっ、わかっちゃった!?」
「もういいから、とりあえずオレンジジュースくれる?」
「喜んで!」