第1章 体育祭
今日は年に一度の大イベント、体育祭。
この行事をなくして高校生活はやっていられない。
「今日は頑張ろうね、リオンちゃん」
そういうのは、私と同じクラスのアメだった。
「もちろん、絶対私たちの団が優勝するんだ!」
私は普段おろしている髪の毛をポニーテールにして、団の色である黄色のハチマキを額にギュッと縛った。
「でもリオンちゃん…、ゾロとは敵同士だけど大丈夫…?」
「クラスが元々違うかったし、しゃーねーんだよな」
ゾロは私の幼馴染で、家が隣同士のやつだ。今年初めてクラスが分かれて、団も違う。
「あ、リオンちゃん、ゾロ君来たよ」
「ん」
私のいるクラスの席に近づいてきたゾロを見る。あいつの団の色は緑。あいつは団長を務めていると聞いたな…。
「よぉ、ゾロ!今回は私たちが絶対優勝だからな」
「あ?…なんだっていいが、てめェに負けるのは許せないんでね」
がたいも態度もでかい団長さんだが、こっちの団長は…。
「おいクッソマリモ!リオンちゃんにガン飛ばしてんじゃねぇ!」
「んだとグル眉!」
団長同士がこの仲なんだな…。
「こんなところで喧嘩すんな!」