第3章 いじわる
「…」
「…」
トレーニング室に来て、ゾロに見せたのはいいものの、この部屋の暑さは尋常じゃなかった。それに、ゾロは私をまじまじと見るだけで何もしない。
「なんか言ったらどうなんだ?」
「…」
無言を貫くゾロに嫌気がさし、さすがに暑すぎるここを出ようとする。
「おい待てよ」
「え…?」
腕を引かれてそのままゾロの胸の中に。上半身裸なゾロの汗の香りと、筋肉質の胸が目の前にあり、ドキドキと胸が鳴る。
「恥ずかしいからやめろ!離せって!」
「それはこっちのセリフだ。なんだこの水着は…」
結んである紐を遊ぶように這わせると、リオンはビクッと体をこわばらせる。
「あ、あ、暑いからだ!ナミに買ってもらったんだよ!」
「ほかの野郎には見せてねェんだろうな?」
「見せてねぇよ。あってねぇ」
そういうと安心したのか、殺気立ったオーラが少しだけ和らいだ。
「ゾロ…?」
改めて顔を合わせると、目をそらしたくなるほど恥ずかしくなる。
「リオン」
今度は強くギュッと抱きしめると、リオンの耳元で「食べてしまいたい」と言うと、リオンのきれいな足に指を這わせる。それだけでビクビクと体が反応してしまう。
「や、めろ!まだ昼間だし、汗かいてんだろ!?」
「じゃあ、夜ならいいんだな?一緒に風呂入るか?」
にやにやとこちらの反応を楽しむかのように、リオンの太ももを撫でながら言った。
「…-!ゾロのバカ…」