第3章 いじわる
夏島が近づいてきていて、気候が安定してきている。
「あっつい…」
長い、明るい浅葱色の髪の毛を高く結っている。
「リオン、こういう時こそ前買った水着を着て甲板に出るものよ」
少しだけ冷えているアクアリウムのソファにでろりと溶けるように座っているリオンに向かってナミが言った。
「でも、ナミが買った水着ってちょっときわどいっていうか…」
「こういう時にゾロに振り向いてもらえるように買ってやったんでしょ?ほら、早く着替えてきなさい」
ナミに言われるとなんだか断れない。リオンはしぶしぶ女部屋に向かう。移動しているとき、いつもなら日陰で寝ているであろうゾロの姿はなく、おそらくまた上でトレーニングしているだろうと思った。
「あら、リオンどうしたの?」
女部屋に入るとロビンが涼しい顔で本を読んでいた。
「ナミに言われてね、水着を着るんだ」
「あらあら、逆らえないわね」
「やっぱ…これちょっときわどい…」
普通の水色の水着。上は首の後ろと背中がひもで結ばれていて、ひもを解けば見えてしまうような構造である。下も同様で、いわゆる紐パンツというやつだ。
「ずいぶん可愛い水着じゃない」
リオンが全身鏡の前で恥ずかしそうにしていると、ロビンが声をかけた。
「ちょっと大胆じゃねぇか…?」
「普段とは違ってセクシーよ。ゾロに見せてあげたら?」
ロビンまでゾロに、と言ってくる。リオンは顔を赤くさせる。