第2章 嫉妬
一瞬、何が起こったのかわからなかったが、何をされたか把握した後に一気に顔が赤くなる。
「な、にすん…」
「お前がそういう風に思ってたなんて知らんかったから、ついカッとなって…あー、なんだ」
恥ずかしそうに頭をかいてリオンから視線をはずす。
「チョコ、食べていいか?」
「…勝手に食べれば?」
態度の変わりように、今度はリオンが冷たくなる。ゾロの上をどいてつーんとしたままその場に座った。
ゾロは自分が投げ捨てた紙袋を拾い上げ、中からチョコを一粒取り出すとすぐに口に運んだ。
その様子をリオンはじっと見つめている。
「…うめェ」
もう一粒口の中に入れる。ゾロの顔がだんだん柔らかくなっていくのを、リオンは見逃さなかった。
「リオン、ありがとな」
「…別に、お礼とか…」
ゾロは満面の笑みでリオンを見つめると、リオンが恥ずかしくなってうつむいた。
「誤解して悪かったな」
「今度そんなことあったら本当に許さないからな!?」
むぅ、とほおを膨らますリオンがかわいく、また彼女にキスをした。
「さァな」
口元を手で隠して顔を赤くさせるリオンの反応が楽しく、ゾロはにやりと笑った。