第1章 内緒と内密
「ミユ…俺はお前がいれば何もいらない。俺は…お前だけを感じていたい。だからお前は…俺だけを見て…俺だけに笑い…そして…俺だけを感じていろ。」
「…兵長。」
リヴァイ兵長の指先が頬と唇に感じる。
(私…何でこんな状況になってるんだろ…)
ー遡ること3日前ー
「皆さん!!明後日の12月25日は何の日かご存知ですか!?」
「確か…リヴァイ兵長の誕生日じゃなかったけ?」
「ペトラさん、正解です!」
「12月25日はリヴァイ兵長のお誕生日なんです!」
私はエルヴィン団長を始め、ミケ分隊長、ハンジ分隊長、エルドさん、グンタさん、オルオさん、ペトラさんといった調査兵団の精鋭達を食堂に集めていた。
「そこで皆さんにお願いなんですが…兵長のサプライズ誕生日会をやりたいなって思って…。」
恐る恐る周りを気にしながら提案してみる。
「リヴァイの誕生日祝うのかぁ…楽しそうだね!!私は賛成。」
「…そんなこと…愚問だな。」
「ねぇ、オルオ…。そのしゃべり方本当にやめてくれない!?…私ももちろん賛成だよ。」
「俺達も兵長には世話になりっぱなしだから、日頃の感謝をこめて祝いたいな。」
「…フッ」
ミケ分隊長はよく分からないけど、エルヴィン団長以外は皆賛成してくれた。
(…皆が賛成してくれても、最終判断は団長だよね。)
エルヴィン団長の表情は険しいものだった。
(…やっぱり難しいかなぁ…。)
「…日頃から気を張りつめているからな…たまにはこういった息抜きも必要だな。」
予想外の言葉に辺りは一瞬沈黙した。
「…いいんですか!?エルヴィン団長。」
「あぁ。だが羽目を外しすぎるなよ。」
「 「 「 「やったー!!!!」 」 」 」
こうしてきたる12月25日に向けて準備が進められていった。
(兵長喜んでくれるといいね。)
(絶対喜んでくれますよ!!)
(…リヴァイ、喜びすぎて泣いちゃったりして。)
(…それはそれで嬉しいですけど、兵長のイメージが…。)