第2章 疑惑と思惑
酒が入ったこともあってか、皆羽目を外してるように思えた。
「俺…リヴァイ兵長に一生ついていきます!!」
「ちょっとオルオ…兵長があんたなんて相手する訳ないでしょ!」
「何だよペトラ!自分が相手にされないからって…八つ当たりか!?」
「ちょっ!…それどういう意味!?」
先程まで普通に飲んでいたが何を発端にか言い争いが始まった。
(…面倒くせぇな…。)
俺は言い争いに巻き込まれないうちにその場を抜けた。
(…だが…こんな時間も悪くない…な。)
しばらく皆の様子を見ながら酒を飲んでいると、不意に声をかけられる。
「兵長、主役がこんな所でお酒飲んでていいんですか?」
「…さっきまであいつらに散々絡まれてたんだ。…好きにさせろ。」
「…そうでしたね。」
俺達はそれ以上会話することもなく酒を飲み交わしていた。
「…お前といると…落ち着くな…。」
「…?兵長、今何か言いましたか?」
「…いや…。」
(ちっ…声に出してたか…。)
無意識に声を出していたことと、自分自信の思いに苛立ちを覚えた。
(こんな想いを俺自身が抱くとはな…。)
周りの連中を見てみると、話し込んでいる奴や寝ている奴ばかりだった。
「…ここで俺が抜けても問題ないだろ。」
部屋での飲み直しの酒を持ち、自室に向かった。
(おい…俺は自室に戻る。お前も来い。)
(お前もって…私もですか!?)
(他に誰がいる…。)