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解読不能ーanotherー

第3章 3 そして平常の音色を


「刑事さん!ひとつ聞いて良いですか!」

いきなり恋滋が勢いよく手をあげた。

「『刑事じゃないよ』」

「おうふ
ダブルツッコミ頂きました」

『それで、質問って?』

「警官さんのその銀髪は地毛ですかそれとも若気の至りで染めているんですか!」

『失礼だよ恋滋』

「この髪かい?」

警官は被っていた警官帽を脱ぐ。

「これはね、地毛だよ」

「すっげ!銀髪で地毛とかすげ!
染めてる奴しか見たことなかったわ俺!」

警官は少しニヤリとする。
その笑い方を、どこかで見たような気がする。

激しいデジャヴに襲われた。

『その、紅い眼も……自前ですか?』

「うんそうだよ。カラコンじゃないからね。」

「すっげぇ……」

遠慮がちな僕とは対照的に、恋滋は目をキラキラと輝かせている。

「……ん?
銀髪に赤眼って…」

「熾妖だね」

恋滋がすかさず言った。

『うん』

「熾妖は警官さんみたいにさわやかぁじゃないけどねー」

『そういうこと言うから熾妖に殴られるんだよ』

「あれぇ
なんの話してたんだっけ」

警官が髪を指で弄りながら呟く。

『事情聴取ですよ』
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