第5章 前夜
いつも通り訓練をして、壁外調査に備える。
入ったばかりの時に少し作戦を聞いた程度で、まだ詳しいことは知らねぇ。
壁外調査前夜。
俺達調査兵団の兵士は、エルヴィン団長により食堂に集められた。
壁外調査を明日に備える俺達は皆、緊張した面持ちで椅子に座っている。
新兵や先輩達が全員食堂に集まって少し経った頃、団長は現れた。
エルヴィン団長、リヴァイ兵長、ミケさん、ハンジさん、そしてキョウカさんが順に入って来る。
その表情は真剣そのもので、静かな食堂にゴクリと生唾を飲む音だけが響いた。
「諸君らに集まって貰ったのは他でもない。
明日の壁外調査についての、最終連絡だ」
団長が前に立ち、言葉を紡ぐ。
「明日の壁外調査では普段の訓練通りのフォーメーションで行って貰う。
何も変更はない。
今回のみ、各班に兵士を増やすことにした。
第1から第4までの隊は変わらず、そこに2名ずつ第5分隊から加わって貰う」
第5分隊...キョウカさんの隊だ。
第5分隊なんて聞いたことねぇぞ、と少し騒がしくなる。
「静かに、まだ話は終わっていない。
第5分隊は特別な隊で、主に後方支援を行う隊の為知らない者も居るだろう。
もし気になることがあのであれば、各隊の隊長に言えば良い。
話は以上だ。
夜に集まって貰って申し訳ない。
では明日、諸君らの検討を祈る」