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【進撃の巨人】ティアドロップ

第1章 好きです。


「本当にすみませんでした...」


2人しか居なくなった部屋に、俺の声だけが響く。


ここは幹部棟、兵長の執務室。


さっきは次の壁外調査に向けての話をしていた筈だ。


「なぁ、エレンよ。

謝罪はもっと誠意を持ってしなきゃだよな?」


兵長が近づき、俺の顔を覗き込む。


「す、すみません!」


無表情なのはいつものことだけど、怒っている時まで無表情なんて...!


「俺に対して舌打ちに、暴言。

1発蹴られるぐれェの覚悟は出来てるよな?」


や、やっぱり兵長怖い...!


「俺はそこまで鬼じゃねェから、せめて蹴られる場所ぐれェは聞いてやる。

どこが良い。

腹か?ケツか?それとも...首、いっとくか?」


「死人が出ます!」


コンコンコン。


ノックが響く。


「チッ.....なんだ」


た、助かった...と心の中で安堵の息を漏らす。


「私。

今時間良い?」


扉の向こうからは落ち着いた女の人の声。


誰だろう...聞いたことない声だ。


でもリヴァイ兵長にタメ口で聞くってことは、この人も凄い人なのだろうか。


「出直せ」


えぇ...!


そりゃないですよ、兵長!


目で必死に訴えかける。


「...悪いけど急ぎの書類なの。

やっぱり都合悪い?

それとも、お楽しみ中?」


クスリと扉の向こうの女の人が笑った気がした。


「チッ.....入れ」


兵長は俺の前から退くと、自ら扉を開けた。
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