第15章 審議の末に
「あの、キョウカさん、昨日はすみませんでした...」
「...昨日?」
「はい。
見境なく襲っちまったし、何より嫌がってるのに無理矢理しました。
すみませんでした」
沈黙が流れる。
時計の秒針の音が、カチカチとやけに大きく聞こえた。
「...ちゃんと反省してくれたみたいね。
もう謝らなくて良いよ。
ただし、次はないからね」
小さな溜め息のあと、キョウカさんが言った。
「はい...!」
「さ、それじゃあ出勤しましょう。
ルネのこともあるし、早めに行かないと」
「分かりました」
それぞれ兵服に身を包み、執務室へ向かった。
「エレン?
どこ行くの?」
「え?兵長の執務室に...」
「それはあとでで大丈夫だから、こっち着いて来て?」
「はい!」
キョウカさんに言われたら、着いていかねぇなんて選択肢はない。
キョウカさんに連れられて辿り着いたのは、団長室。
コンコンとノック音を響かせ、声を掛けた。
「私。
開けるね」
「あぁ」
扉を開けると、ちょうど目の前に椅子に座らされたルネの姿が見えた。
団長室の中には団長、ハンジさん、ミケさん、そして兵長が居た。
「揃ったな。
それでは上の決定事項を話そう、よく聞いてくれ」
全員の顔を見回し、ゆっくりとした口取りで話し始めた団長。