第13章 任務前夜
「伝わってますよ。
でも時々不安になるんです。
だってキョウカさんの中からは恋人だった人のことが消えてねぇ。
想いが残ったままだ。
そんな状態で俺を好きになっても、そんなの......2番目じゃねぇか...」
今も胸元で輝く雫のペンダントを睨み、顔を伏せる。
今まで心の片隅で思ってたことをぶつけちまった。
「......」
キョウカさんも黙ったままだ。
これは別れを切り出されるか?
「エレン」
「は、はい」
「これなら...伝わる?」
自身の首裏に手を回し、チャリ...とペンダントを外した。
「良いんですか...?」
「捨てたりは出来ないけど、思い出としてとっておくことにする」
「ありがとうございます!」
「さ、明日に備えて寝ましょ?」
「シなくて良いんですか?」
自分でこんな空気にした癖になんというか...。
「ええ、大丈夫よ。
また明日、任務が終わったらね」
と、微笑んだ。
「っはい!」
任務は明日の夜からだけど、一応早めに床につく。
「おやすみ、エレン」
「おやすみなさい」
同じベッドで眠ることにも少し慣れて来た。
前程緊張してねぇ。