第13章 任務前夜
「結局リザさんのところへ行かなかったけど、大丈夫なのか?」
少し胸に不安が広がる。
「...他の人のこと考えてる」
「キョウカさんしか見えてませんから、大丈夫ですよ」
と髪を撫でれば、嬉しそうに目を細める。
キョウカさんはストッパーが外れたように、甘えるようになった。
それ自体は凄ぇ嬉しいし歓迎なんだけど、1つ問題があるとすれば...。
キョウカさんが可愛過ぎるところと、あと惜しみなく身体を密着させられて意識しちまうところだ。
ほら、現に今も。
俺の背中にその柔らかな膨らみが押し当てられてる。
「あ、どこ行くんですか?」
背中に触れてた温もりが離れていく。
「んー、訓練にして来ようかと。
エレンも来る?
リヴァイには許可貰っとくよ?」
「行きます!」
「分かった。
じゃあ着替えて外行こうか」
「はい」
着替えを済ませて、外へと出た。
「訓練場には行かないんですか?」
「キース団ちょ......キース教官が少し苦手で」
言いにくそうに頬を掻く。
「そうなんですか?」
「まぁね、詳しくは聞かないでね」
キョウカさんの後に続いてやって来たのは、兵舎裏を進んだところにる森林。
「私は私でやるから、エレンも自分の好きなように訓練してて良いよ」
「いえ、俺もキョウカさんと同じメニューをやります」
「退屈かもしれないけど良いの?」
「はい!」
どんな訓練をしたらキョウカさんみたいに動けるのか知りてぇ。