第12章 噂の収縮
あれから数日。
数日経っても噂は収まらず、むしろ大きくなる一方だ。
「と、いう訳なんです。
どうしたら良いと思いますか?」
「知らん、俺に言うな」
噂の元凶を作った男。
そして俺の上司に値する兵長に相談した。
「お願いしますよ。
俺1人じゃどうにもならなかったんです」
「...キョウの噂の件ならすでにエルヴィンをはじめとする幹部が動いてる。
てめェの出番は要らねェ」
「団長が...?」
なんでそんな上の人が...。
「あいつはそれだけ兵団にとって必要な存在ってことだろ。
エルヴィンが動く前にお前がなんとかしてやれよ」
「やってますよ!」
「なら、その噂の出どころがどこかぐれェの目星はついてるよな?」
「え...?」
「その空っぽな脳みそをよく使え。
噂の内容と、その内容発信されたであろう場所、その時に居た人間。
俺が言うのはここまでだ、俺も甘いな」
と、苦笑する兵長。
「...分かりました。
あとは俺がなんとかします」
兵長の助言を頭に入れて、仕事に取り掛かった。
噂の内容か...。
キョウカさんを悪く言うものばっかでよく聞いてなかった。
兵長とキョウカさんが付き合ってる。
キョウカさんは二股している。
兵長を身体で誘惑した。
権力者と寝て今の地位を手に入れた。
年増の癖に後輩を誘惑している。