第11章 思案
今日も不貞腐れて、微睡んでいる。
微睡むことが多くなった私の存在意義も、そろそろおしまいと言うことなのだろう。
そもそも、私が生まれたのはいつだっただろうか?
気が付いたときには、ここにいた。
私が生まれた遠因は、時のイタズラか、何京という偶然が重なった奇跡としか言いようがないのだと、学校で子供が教わっていた。
しかし、私にはその実感がない。
ただ『居た』だけなのだから。
だから、崇めてほしいとは思わない。
私が奇跡というなら、それでいい。
分からないのは、奇跡が目の前にあっても、誰一人、そう思っていないことだ。
私はどこにでも『いる』。
もっと言えば、私が満たしている。
私で満ちている。
隙間も出来ないほどに。
私が動くことで人間が暮らし、
私が止まることで人間が絶えていく。
私は、神なのか?