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目に見えぬもの

第12章 芽吹く



前にも増して、微睡むことが多くなった。
日がな一日、動かない対象を観察し続けたある日、背中の曲がった老人が一人、ポツリポツリと何かをしているのを見つけた。

蹲り、皺枯れた手で、大事そうに土を掘り返しては何かを埋め、立ち上がる。

一歩踏み出してはまた蹲り、土を掘り返して埋める。


何をしているのか、そのときは分からなかった。
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