第2章 赤色さん
櫻井「…もう2月ですね。」
「え!?あ、はい。」
急な話の展開についていけない。
公園の時計を見ると、
午前3時…。
雪はまだ降り続ける…。
櫻井「また積もってきちゃったな。
帰ろっか。」
「…あ、はい。」
わたしの上の雪を払って、
自分の雪もはらうと、
櫻井さんは歩き出した。
明日、いや、もう2月になった。
置いてあった傘にも雪が積もっていて、
それを払って傘を開く櫻井さん。
あ、傘持ってきてない。
喜んで飛び出してきちゃったから。
恋は盲目ってやつですね…。
櫻井「風邪、引いちゃうよ。」
さりげなく傘に入れてくれる。
相合傘…。
ふと、櫻井さんを見ると、
コートもマフラーも、
とてもオシャレだ。
わたしなんか…
ジーパンにユニクロのダウン。
なんか、格の違いを見せつけられた。
櫻井さんは、高級マンションで
セキュリティーもしっかりしてて。
わたしは誰でも入れちゃうマンション。
わたしはこの日、
送ってくれると言う櫻井さんの
言葉を跳ね除けた。