第2章 赤色さん
櫻井「ほんと、冷たい…。」
私は俯いて、照れてるのが
バレないようにする。
「櫻井さん、手、おっきいですね。」
お釣りを渡す時だけ触れられる、
その手に今包まれている。
櫻井「あったり前でしょ!
じゃないと、ちゃんの手
包めないし…。」
「櫻井さっ…!!」
顔を上げると、
腕を引き寄せられて
抱きしめられる…。
櫻井「ずっと話したかった…。
ずっと、ずっと前から
好きだったんだ。」
「私も、です。
…好きです。」
櫻井さんも同じ気持ちで。
こんな嬉しいことはない。
まだ食事にも行ったことないのに
食の趣味が合うな、なんて。
ゆっくりと体が離れる…。
櫻井「ほ、ほんとに!?
夢じゃないよね…?」
「はい…。お話しするようになって、
気づいたら待っている自分がいました。
ポイントカード、お勧めして
良かったです。笑」
ちょっぴりむずがゆいけれど、
真っ直ぐに櫻井さんの顔を見て言う。
櫻井「あの時はびっくりしたよ!笑
でも、嬉しかった。キッカケが掴めなくて、
そしたらちゃんの方から
声かけてくれて…。」