第29章 Another dancer…【Extra edition】
ニノがフッと全身の力を抜いたのが分かって、俺は更に奥へと腰を押し進めた。
そうして漸く全体がニノに包まれた時、どうしてだか分からないけど、目頭がジンと熱くなっって、
「どう…して…? 泣かないで?」
不意に伸びてきた手が、俺の頬に触れた時、俺は自分が泣いていることに気が付いた。
「あ、あれ…、おかしいな…、何で俺…」
今までこんな経験何度だってして来てる筈なのに、涙が勝手に溢れてくるなんて、初めてのことだった。
「ごめん…ね…? 泣くなんて、らしくなよね…」
俺は手の甲で涙を乱暴に拭うと、ニノの細い腰を掴んで、ゆっくり腰を動かし始めた。
「あっ…、あん…、あ、あ、あぁ…」
俺の腰の動きに合わせて、ニノが浅い呼吸を繰り返しながら、可愛い声で喘ぐ。
でもニノはその声が余程恥ずかしかったのか、唇をキュッと噛みしめてしまった。
「どうして? もっと聞かせて、ニノの可愛い声を…」
親指の腹唇の輪郭をなぞってやると、薄く開いた唇の隙間から、赤く熟れた舌先が出てきて、俺の親指に絡み付いた。
瞬間、腰にズンとした疼きが走った。
「ちょ…、ニノッ…」
それヤバいって…
ゆっくりじっくり、丁寧にニノを愛したいのに、これじゃ持たないよ…
俺は勝手に早くなる腰の動きに戸惑いながらも、ニノに腰を打ち付けた。
「ま、雅紀…さ…、激しっ…!」
俺の首に両腕を回し、しがみ付いて来るニノを抱き上げ、膝の上に乗せると、より深くなった繋がりに、ニノが背中を仰け反らせた。
「ひっ…、あぁっ…深い…よぉ…っ…」
ニノの口から悲鳴にも似た声が零れたが、俺はそれに構うことなく、ニノの腰を軽く持ち上げ、ストンと落とした。
「あぁぁぁぁっ…、だめぇっ…、当っちゃう…、んあっ…」
俺たちの腹の間で揺れるニノの中心を握り、上下に手を動かした。
「イクッ…、も…我慢出来ない…」
涙ながらに訴えるニノにキスをして、俺はニノの身体をギュッと抱き締めた。