第33章 鬼ススキが泣く夜は
"トントントントンッ…"
野菜を切りながらいろいろな感情が沸いてくる。
(2人が帰ってきたら、わたしどんな顔をしたら…)
〈おはよーー!!
美菜
「!!」
ベストタイミングだ、
神無くんが家を訪れてくれた。
美菜
「おはよう、神無くん。いらっしゃい…」
神無くんは、
実家に久しぶり帰ってきたような感じで
凄くリラックスしているよう。
神無
「おっ、だいぶお腹出てきたな。
いま何ヶ月だっけ?」
神無くんは最初、
私の妊娠にショックを受けていたけれど、
事の成り行きを知り今は応援してくれている。
美菜
「7ヶ月…なんだ。」
神無
「7ヶ月か…」
神無くんはまるで自分の子供のように、
愛しそうにお腹を撫でる。
神無
「そーいや、神様と千助さんは??」
美菜
「……昨日の晩から遊郭に行ってるの。」
神無
「え!?遊郭??」
神無くんは凄くビックリしてお腹から手を離した。
美菜
「仕方ないんだ。
2人とも私のせいでストレス溜まってるから…」
自分で言って悲しくなるけど、
神無くんに嘘ついても仕方がない。
神無
「……お前のせいでって…
妊娠したお前がお荷物ってこと?」
美菜
「…分からないけど。
いろいろ心配かけてるからストレス溜まってるんだと思う…
あははっ…
そのうち産まれた子供と2人きりになったりしてね!」
明るくこたえてみせた。