第7章 ワナにハマった俺のせい?
[ジャンside]
翌朝。
まだ朝日が昇るか昇らないかの早い時間に起きて、誰にも遭遇しないよう、美咲の部屋を後にした。
兵団の集合場所に美咲が出てきたのは、俺より十数分程、遅かった。
俺が起きた時に、美咲はくったりとベッドに埋もれたままだっから、もう少し遅れて来るとおもったが。
腰をさすりながらフラフラと立つ様子を見ていると、ニヤニヤしてくるのも、無理はないだろう。
「何やら、相当お疲れだなぁ、美咲。」
「……おかげさまで。」
視線は鋭いが、美咲の口の端は、持ち上がっている。
精一杯の余裕っぷりを見せつけている、つもりなんだろうか。
バカだなぁ、マジで。
そんな風に腰を気遣いながらの動作で、余裕もなにもあるわけねぇだろ。
もしかして、俺の下世話さを交えた挨拶に対する、嫌味のつもりか?
ま。全くこたてえねぇから、意味ねぇけど。
完璧だ。
思い返してみて改めて思う。
昨夜は、完璧だった。
俺の感覚ってやつを、快感とセットにして、きっちり植え付けてやろう。
いくら頭が拒否しても、本能がそれを求めるように、だ。
そんな裏テーマを掲げた俺は、美咲が「もう無理」なんて弱々しく懇願してくるのを無視し、ひたすら彼女を抱き続けた。
いやぁ、俺、案外体力あるな。
下手すると、ライナー以上か?
なんて自画自賛を賞したくなるほどだ。
腕の中で、オンナの顔をしている彼女は、意識も、何もかもあやふやになっていそうなのに、感覚だけは敏感だった。
そういうギャップもそそる。
昨夜の目的。
まずは美咲を溺れさせる事。
徹底的に、俺を刻み付ける事。
俺の身体。
体温。
何もかも。
だから、一回欲を零した後の二回目からは、限界に昇り詰めそうになるのを何度もやり過ごして、彼女の反応を的確に汲み取り、頭の中に叩き込んだ。