第5章 ※ワナを仕掛けた俺のせい?
「あ…!んっ…あ、やっ」
俺だけが落ち着いたのと同時に、律動を開始する。
美咲の体が大きく揺さぶられて、形のいい胸が、上下に激しく揺れる。
俺を刻むこの瞬間が、俺の独りよがりだって事は分かってるんだ。
分かっちまってる、けど……
お前の中で、俺が当たり前になるまで。
お前の隣に、俺が当たり前にいる事が出来るように。
お前と身体を重ねる事が、当たり前になるように。
深く、深く、刻み込みたい。
「あ……んッ、ぁ……」
俺は激しく腰を打ち付けながら、中の心地よさに目を瞑り、短く息を吐いた。
甘い、甘い、お前の中で、溶けてしまいたい。
残酷な世界に目を瞑って、お前だけを感じていたい。
触れ合う度に跳ねる身体が、俺を誘う。
掠れていく高い声が、俺を煽る。
俺の容赦ない突き上げに、使い古されたベッドがギシギシと軋み、端に置いていた飲み物が。
ゴトン。落ちる音がした。
「っあ、はあ…お水が…ッ」
「……いいから、こっちに集中しろ。」
「やッ?!」
膝裏を持ち大きく脚を開き、深くまで、沈む。
多分。
床は溢れた水で、ひでぇ事になる。
でも、そんなの気にしてられないくらい。
俺を、求めろ、よ。
「ジャ、ん……ッ」
名前を呼ばれただけで、嬉しくて。
好きだ、なんて言葉じゃもう、足りないくらいに愛おしい。