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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?






確かに、承諾してくれるなんざ思っちゃいなかった。



が、ここまであからさまに嫌な顔をされると……

いっそ、清々しく感じちまうのはどうしてなんだか。

素直過ぎる美咲の率直な感想は、ある意味痛快だ。



傷付くとか、そういう感傷に浸るより先に、愉快な気持ちがこみ上げてきて、我慢が出来ずに俺は吹き出した。



「ハハッ! あー……、マジで面白れぇなぁ。」



腹を抱えて笑う俺に、美咲の眉間のシワは深くなる。



「は?全然面白くないんだけど。話し聞いてた?」



そう言いながら、俺を不思議そうに……
いや、変なモンでも見るかのような目で様子を窺っている。

それすらも可笑しくて、俺の笑いは止まらなかった。



笑い過ぎて、自然と滲んできた涙を拭って、俺は言う。



「はー……、もぅ、最高。俺、女にここまで言われたの、初めて。」

「そりゃぁ、アンタがこんな男なんてみんな知らないでしょうからね!」



また顔を痙攣らせた彼女の物言いに、確かにそりゃそうだ。と、納得して、また笑う。

笑いながらも不意に頭を過ぎったのは、自分の変化に対する気付きだった。



つーか、こんな事を女に提案したのも初めてだけどな。



ミカサに想いを寄せていた時とは全く違う、執着心。

一途に遠くで想っていた頃が懐かしく思える程、臆病だった俺からの提案。



確かに、冗談のつもり、ではあった。

だが、こんな事……つーか、こんな俺を見せる事自体が初めてで。



やっぱり美咲は、何かが違う。

それが何だと問われると、明快な答えは出ねぇが。



また大きく溜息を吐いた美咲が、最後のミルクを自分のグラスに注いでいる。

それをぼんやりと見つめながら、俺はもう一度、同じ事を言った。



「なぁ、美咲ー。」

「何よ?」

「一緒の部屋になろうぜ?」

「嫌だっつってんでしょ、バカ!」



スパン、と切れ味良く返される拒否。

カケラも相手にしていない態度。



あーぁ、全く。

最高に面白ぇけど、意味を理解すると最低で最悪なくらい切ねぇ、な。



俺はまた、声を上げて笑った。




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