第18章 嫉妬と混乱と攻撃のあの人
「クソ、ダメだ。面白くねぇ。俺の方が美咲には近いはずなのにな。」
「ッ……」
いつもと違うリヴァイ兵長の言葉に。
酔っ払ってるんだ。
お酒の勢いなんだ。
そう自分に言い聞かせるけど、上手くいかなくて。
拗ねた表情のリヴァイ兵長が、更にワインを煽る。
私は、既に酔っているリヴァイ兵長を止めるのさえ忘れて、一生懸命平静を保とうと努力していた。
何気なく言っただけだ。
大人の男性の、ちょっとした、リップサービスみたいなものだ。
呪文を唱えるように心の中で繰り返す。
ダメだ、ダメだ。
期待するな、期待するな。
相手は人類最強とは言えど、酔ってる人なんだから。
私が葛藤しているその隙に、リヴァイ兵長はまた新しいワインを注文していた。
「お前も黙ってねぇで、食え。」
「は、はい……」
スッ、と差し出されたのは野菜がたくさん入ったスープ。
今日のリヴァイ兵長は、いつものパリッとした雰囲気が、崩れているように思う。
そんな事を思いながらスプーンを手にし、リヴァイ兵長の様子を見守った。